【二重生活】観たよ
学生時代に【政治思想史】という講義を受講していて、【政治哲学】との相違を聞いてみて「嗚呼、思想とか哲学ってこういうものか、哲学部には行かなくて良かった」って思った記憶がよみがえった。
読後、観覧後にそういった記憶が呼び起こされる作品はけっこうあるんだけど、大人になって思うのは哲学部に入れば良かったかもしれないということ。
でも、行ってたら劇中のリリー・フランキーのようになっていたかもしれない。そんなことも思ったりするし、これからそうならないとも限らないけれど(笑。
さて、本作は「哲学的尾行」を行い卒論を書かなければならない主人公、その同居人、尾行される客体とその家族、関係者、指導教授と関係者が主な登場人物。カメラワークや画質は狙って粗く、登場人物の心理描写の一つの手法と受け取った。ストーリーが進むにつれて
- Q:こういう事態に陥ったのは【事象A】のせいである
- A:【事象A】のせいかもしれないし、【事象Aは関係ないかもしれない】
という解答が成り立つようなシーンが随所にちりばめられていると感じた。
ラストシーンに至るまで、はっきりしたことは何一つ無かったのではないか?という考えの下に物語を反芻すると面白い。
個人的には「人は一人では生きられない」というのが残った。
原作もぜひ読んでみたい。
監督・脚本 岸善幸
原作 小池真理子
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